駅に向かって歩いていたときのこと。若い人向けのブティックの店先に、おしゃれなウエアをまとったマネキンボディが立っていました。道行く人が、それを「あ、いいわね」と触っていくのはよく見かける光景ですが、このとき視界の中に入ったのは、コートを着て帽子を被った小柄なおじいさん。立ち止まって、そっと襟元を触るなどしていたんです。

 その後ろ姿は何というかかわいげで、不思議な空気を醸し出していました。どんな気持ちで立ち止まり、触っていたんでしょうか。「孫娘に似合いそうだな」とか「妻も若い頃はこんな服がに合ったな」とか!?　もしかするとかつてファッション業界で働いていた方で懐かしく感じたのかもしれないし、単に「今時の洋服はこんな生地なんだ」などと興味がわいての行動だったかもしれません。いずれにしても、おじいさんとブティックという組み合わせがとても印象的で、その余韻に浸りながら駅に向かって歩いたのでした。

 と、まったくの余談から始まりましたが、1月6日に始まった学校採寸。今日で3クール目に入ります。これまで印象的な出来事としては、見るからにスポーツウーマン！と感じられるほどの女の子に何人か出会ったこと。1人は聞けば空手をやっているそうで、ああ、あの東京五輪でも話題になった空手かと興味をそそられました。彼女自身がとてもキリッとしていたのは、静寂のなかで空気を切るように行うスポーツだからでしょう。4年後、8年後にはどんな選手になっているか、とても楽しみです。

 このあと野球の練習という一団は、みんな縦縞のユニフォームに身を包み、採寸に臨みました。どう見ても阪神カラーじゃん！というそのユニフォームがみんなよく似合い、とってもカワイイ！　こちらも3年経ったら今度は高校野球に挑戦です。すごーい選手になっているかもしれませんね。

 ここ数回の採寸で感じるのは、手足の長い子どもさんが増えたかなということ。手足が長いのでワンサイズ上の上着をおススメすることも多く、女の子はとくにスタイルのいい子どもさんがたくさんいます。ブレザーを試着していただいたとき、とある女の子に対して思わず口から出てしまったのが「似合うね～♪」。一緒にいたお母さんも満足顔です。あるお父さんは「お～、いいね～」なんて顔をくしゃくしゃにしてうれしそうでした。そんな親子の様子を垣間見ながら、ドタバタの採寸会場でほんわかとした気持ちになれたのでした。

 週末は、どんな子どもさんに会えるかな。