ことわざで考えた、二度目の成人式
先日、知人の男性が40歳の誕生日を迎えました。「2度目の成人式だと思うと身の引き締まる思い」と感想をひと言。そして、こう付け加えました。「四十過ぎての男の意見、彼岸過ぎての麦の声」。これはこの男性のおばあちゃんがよく言っていたことわざだそうです。その意味は、お彼岸が過ぎていくら肥料をあげても麦は育たない。同じように、四十過ぎた男にいくら意見しても聞き耳を持たない、というもの。そこでハタと思いました。なるほど、亭主もこの頃にはまさに我が道を行く状態・・・。このことわざがぴったり当てはまるわと、思わずため息&納得してしまいました。
でも、この男性は違いました。「ばあちゃんは、このことわざのようになったらいかん。常に人の声に耳を傾け、そうでないと人として成長せんからなと言っていたんです。それを僕が二十代だったときから言っていて、当時はピンとこなかったけど今ならよくわかります。四十代は経験も積んで、自分にある程度自信が持てるようになった頃。でもそこが落とし穴。やっぱりいつも自分の頭をスポンジみたいにして、言われたことをきちんと吸収したうえで責任ある行動をしたいですね」。素晴らしい! 思わず拍手、です。
同じタイプのことわざに、「二十過ぎての子の意見と、彼岸過ぎての肥はきかぬ」があります。人というものは、若いうちでないといくら叱っても効果がない、という意味です。二十歳を過ぎたらもう親のいうことなんか聞かない・・・というわけではないでしょうが、やはり必要なことは年齢のいかぬうちにきちんと教えてあげなければいけませんよね。父兄の皆さんの多くが今、「叱るって大変」「教えるって大変」と思いながら子育てされていると思います。時にはため息のつきたくなることもあり、一筋縄ではいかないのが子育てと、そう実感しているのではないでしょうか。本当に、お疲れ様です。
そんなことを思いながら今日街を歩いていたら、七五三で着飾った子どもさんの姿をたくさん見かけました。かわいい着物に羽織袴、まるでお人形みたいです。こうした子どもさんも数年すれば小学生、中学生。そして高校生。どんな少年少女に育つのでしょうか。もしかすると、ユニスタの制服を着て元気に学校に通っているかもしれません。親御さんも成長が楽しみでしょうが、私たちもとっても楽しみです。ステキなご家族の姿を遠巻きに見ながら、ふとそう思いました。
おまけ=ネットで調べていたら、「二十過ぎての子の意見と、彼岸過ぎての肥はきかぬ」は、一般常識試験に出題されることわざとして出題傾向は低めとありました。逆に出題傾向が高いのが、似たことわざでは「親の意見と茄子の花は千に一つも仇はない」だそうです。その意味は、「茄子の花は咲いたら必ず実がなる 。親が子どものためと思って意見する小言も茄子の花と一緒で、無駄がなく必ず役に立つので、親の意見はよく聞くべきだ」。う~む、なるほど。