学生さんの署名活動。「後輩のために学校変えたい」
7月21日付の朝日新聞朝刊に、区立中の制服を性別関係なく選べるようにと、署名活動している学生さんの話が掲載されていました。制服というのは本来、男子が学ランかブレザーにスラックス、女子がブレザーやセーラー服にスカートという組み合わせが基本ですが、そんな決まり事をなくし、「自分の心にあった制服を着たい」と活動を始めたそうです。
本当は自身が中学在学中に学校側に願い出たのですが対応は鈍く、改善の兆しはゼロ。結局は自分が体と生が一致しないトランスジェンダーであることをカミングアウトしただけの、つらい経験に終わっていました。でも、今後同じ気持ちを持つ後輩たちのためにと、署名サイトを使って再度トライ。集まった署名は1カ月余りで1万件を超え、8月中旬に区長と区の教育庁に提出する予定だそうです。今は私服登校できる高校に通っていますが、自分だけでなく広く社会的な問題としてとらえて活動につなげ、その勇気には大いに拍手を送りたいなと思います。都内の公立校では、少しずつ制服の自由化が広がっています。女子用スラックスを用意するなど選択ができ、今後もさらに対応する学校が増えていくでしょう。この学生さんの声が、広く社会に届くといいなと思います。
こうあらねばならないという「Never」は、有無を言わさぬ厳しさが制服に対してもありますが、そもそもその学校の生徒としてきちんと着こなしていればいいわけです。じつは我が娘も、高校時代にこんなことを言っていました。
「自分はすぐに体が冷えてしまうから、冬はズボンがあったらいいのに。にもかかわらず、女子はスカートで寒くてもストッキングをはくことは禁止。ソックスのみと規則で決まっている。これ、おかしくない???」
母は今、ちょっと後悔しています。子どもの気持ちを、まずは先生に伝えてもよかったなと。校則だからと決めつけて、なぜダメなのという答えを先生方も持っていなかった気がします。別に黒や赤のストッキングをはくわけでもあるまいし。相談の余地はあったかもしれません。娘はちょっと口にしただけで先生に「×」とされ、それ以来ホカロンとひざ掛けで頑張っていました。
制服の件のみならず、それぞれの「思い」を正しく人に伝えるのって案外難しいですよね。ネットでは他人に対しての誹謗中傷が後を絶たず問題になっていますが、このような面倒なことはしたくないとついついあきらめがちです。何も悪いことをしていないのに、人と同じでないために理不尽な思いをしたりもします。コロナと共存を余儀なくされている今、お互いにガマンしていることも多いと思います。もちろん、今を乗り切るためにはみんなでガマンも大事。でも、人との関りが難しくなり、言葉を交わす機会が薄れているからこそ、大切な人に対して必要なことははっきりと口にすることがあらためて求められるのではないでしょうか。そうやって家族や仲間としっかりつながって、みんなでこの難題を乗り越えたいものです。
追記:昨夜、開催場所は秘密のうえで、数分間多摩川べりで花火が上がりました。見えなかったけど(苦笑)、音だけは立派で花火の気分を味わいました!