縫製工場見学レポート① 学生服はオール日本製!
私たちが学生の皆さんにお届けしている制服。メイドインジャパンであることは以前からお伝えしていますが、今回、念願叶って「カンコー学生服」で知られる菅公学生服(株)の縫製工場へ見学に行ってきました! カンコーさんは南九州に9つの国内工場を持ち、そのうちの1つが、都城にある高城工場とカッティングセンターです。敷地はなんと、7000坪。遠くに山が見え、自然が豊かで開放的な空間に縫製と裁断の2つの工場が並んで立っています。そこにはそれぞれ約100名もの従業員の方がいて、入学シーズンの納品時に備えて働いています。
まずは、高城工場のご紹介から。ここは男子のスラックスを縫製しており、1日に700~750本を生産。年間にすると19万本という数に及びます。取材料となる生地の原反は6、000種類。同じ「紺」でも微妙に色合い、風合いが異なり、学生服でありながらこれほどの種類を扱うとはオドロキです。全国の学校でまったく同じ制服は1つとしてないと言われる所以ですね。
そして、それら生地をいきなり使うのではありません。型崩れなどを防ぐため、仕立てる前に歪みを矯正する「スポンジング」と呼ばれる作業を専用の機械を使って行います。蒸気と熱を当てる工程で、担当の方が「生地をリラックスさせるんです」と言っていました。これをやるのとやらないのとは大違いで、高い品質を保つためにも早い段階で取り入れたそうです。ちなみに原反をメーカーに発注し仕入れた際も、ロット単位で色目や風合いの確認を人の手でしっかりと行います。人の目こそ、やはり本物ということですね。校内で着る生徒によって微妙に異なることがないように、厳しい検査を経て縫製に入るのです。
縫製の前には、各パーツに生地をカットする「裁断」が行われます。作業を進めるのは、「カッティングセンター」です。ここで活躍するのは、CAMと呼ばれる裁断機。コンピューター上で1枚の生地からできるだけロスを出さないようにパーツを並べてマーキング、それを自動でカットしていきます。それはまるでパズルのような構図です。目に見える部分だけでなく、見えない内側の隠れた部分のパーツも含まれるため、大きさ、形ともにいろいろあります。制服が、いかに繊細なつくりになっているかが改めてわかりました。広い工場にCAMが複数台並び、繁忙期にはすべてのCAMがフル稼働。その後は細かく分かれたパーツが部分ごとに束ねられ、再び高城工場にて次の段階である「縫製」に入っていきます。その様子については、後日またご報告することにしますね。