1冊の絵本を手に取って・・・
夏休みが終わろうとしています。もうとっくに授業始まっている・・・という方もいるかもしれませんね。いずれにしても、夏の終わりは大型台風の席巻で、落ち着かない時間を過ごすハメになった人も少なくないと思います。最後の最後で遊ぼうと思ったのに・・・という方、残念! また、最後の最後で知らん顔をしていた宿題をやろうと思っていた・・・という方、雨音をバックミュージックに集中して済ませてくださいね! 時間、ないぞ~!!
宿題といえば、よくあるのが「読書感想文」ですよね。この夏、何か印象に残った本はありましたか? 個人的な話をして恐縮ですが、私は久しぶりに絵本を買いました。その本のタイトルは『もうじきたべられるぼく』(はせがわゆうじ=作)。です。内容は、そのままズバリのタイトルどおり。どんなタイトルよりもインパクトがあって、小さい子どもでも働き盛りの大人でも、またお年寄りでも、誰もが同じようにたくさんのことを感じるはずの言葉です。
わかり切っていることだけど、ストレートに言われると心揺さぶられてしまう。この本は、まさにそういう内容です。食べられるために生まれてきた牛は最後まで何も言わない、言えないけれど、もしこの本にあるような感情と言葉を持っていたら、私たちはこれまで通り平気で牛(鶏も豚もみんな)を食することができるだろうか。きっと食べる、食べられるけれど、いつだって美味しく、残さず、感謝して食べることが大事と改めて思う。そして、みんながわかっていることをちゃんと口に出し、家族や知人と話す機会を与えてくれる、それがこの本です。わかり切っていることを口に出すというのは、また新たな発見があるものです。
この本の作者の人となりの紹介文が、また魅力的なんです。奥付には、こうありました。
趣味は散歩と公園でぼーっとすること。絵を描くこと以外はのろまなでくのぼう。
好き:のろまな人にやさしい人
嫌い:のろまな人に厳しい人
希望:世界中が仲良くすること
願望:だめな人におおらかな世界
どんな印象を持ちましたか? 優しい絵と同様、こちらにもハッとさせられてしまいました。
さあ、2学期が始まります。勉強、部活といろいろ忙しいかもしれませんが、その歩みは自分の納得したやり方、自分らしく進んでいけばいいんじゃないでしょうか。お互いを認め合いながらも、私は私、僕は僕。緩急つけながら、2024年の後半を進んでいきましょう!